出力1つ | 出力複数 | |
入力1つ | 「ふつうの」関数 | ベクトル値関数 |
入力複数 | 多変数関数 | 多変数ベクトル値関数 |
「ふつうの」関数
例えば、
$y=x$
$y=x^2+1$
$y=\sin x$
などです($x$ が入力で、$y$ が出力です)。
この記事では、入力も出力も実数である関数を「ふつうの」関数と呼ぶことにします(以下でも、入力や出力の各変数は、実数とします)。
多変数関数
例えば、
$f(x,y)=x^2+y^2$、
$f(x,y,z)=xyz$
などは多変数関数です。
身近なものでは、例えば空間の各点における気温が多変数関数として表現できます($x$ 座標、$y$ 座標、$z$ 座標の3つが入力で、その点における気温が出力)。
多変数関数は、複数の入力変数をベクトルの形でまとめて $f(\overrightarrow{x})$ のように書かれることもあります。
多変数関数の微分では、偏微分、全微分など「ふつうの」関数の微分のときには現れなかった概念が登場します。
ベクトル値関数
例えば、
$\overrightarrow{v}(x)=(x,x^2)$
はベクトル値関数です。
ベクトル値関数は、「ふつうの」関数を複数並べたもの、とみなすことができます。
身近なものでは、例えば物体の各時刻における位置がベクトル値関数として表現できます(時刻が入力で、$x$ 座標、$y$ 座標、$z$ 座標の3つが出力)。
多変数ベクトル値関数
例えば、
$\overrightarrow{v}(x,y)=(x,y,\sqrt{x^2+y^2})$
は多変数ベクトル値関数です。
身近なものでは、例えばある時刻の、空間の各点における空気の流れが多変数ベクトル値関数として表現できます($x$ 座標、$y$ 座標、$z$ 座標の3つが入力で、その点における空気の流れの $x$ 成分、$y$ 成分、$z$ 成分の3つが出力)。
このように、入力も出力も複数の実数であるような関数は、ベクトル場と呼ばれることもあります。
なお、多変数ベクトル値関数は、複数の入力変数をベクトルの形でまとめて $\overrightarrow{v}(\overrightarrow{x})$ のように書かれることもあります。
次回は UNIONとUNION ALLの意味、違い、覚え方 を解説します。