オッズの定義と具体的な意味を解説します。また、オッズ比や対数オッズについても紹介します。
オッズとは
オッズの意味1
「起こる確率」÷「起こらない確率」のことをオッズと言います。つまり、確率 $p$ で起こる事象に対して、$\dfrac{p}{1-p}$ のことをオッズと言います。
オッズの意味2
「勝負して買ったら $x$ 倍になるような賭け」
つまり
「勝負して負けたら1円失い、買ったら $x$ 円もらえる」
ような状況のことをオッズが $x$ である、と言うことがあります。
オッズの2つの意味の関係
オッズの意味1とオッズの意味2には、以下のような関係があります。
上の主張を確認するために、負ける確率が $p$ であるような(平等な)勝負におけるオッズ(意味2)を計算してみましょう。
「勝負して負けたら1円失い、買ったら $x$ 円もらえる」とき、もらえる額の期待値は、
$xp-(1-p)$
です。平等な勝負ではこれが $0$ になるので、$x=\dfrac{p}{1-p}$ となります。
オッズの最大値・最小値
実際、
・$p=0$ のとき、オッズは $0$ です。
・$p=0.5$ のとき、オッズは $1$ です。
・$p\to\infty$ のとき、オッズは限りなく大きくなります。
($p=1$ のときオッズは定義できません)
確率 $p$ が大きくなるほど、オッズは大きくなります。
オッズ比とは
つまり、確率 $p$ で起こる事象と、確率 $q$ で起こる事象に対して、
$\dfrac{p}{1-p}\div\dfrac{q}{1-q}=\dfrac{p(1-q)}{q(1-p)}$
のことをオッズ比と言います。
オッズ自体が、確率の比で定義されるので、少し紛らわしいです。オッズ比は「オッズの比」つまり「確率の比の比」です。
対数オッズ、対数オッズ比
$\log\left(\dfrac{p}{1-p}\right)$
のことを対数オッズと言います。
対数オッズを関数とみなしたものがロジット関数です。ロジスティック回帰などに登場します。
ロジット関数とロジスティック関数
また、オッズ比の対数を取ったもの:
$\log\left(\dfrac{p}{1-p}\cdot\dfrac{1-q}{q}\right)$
のことを対数オッズ比と言います。
次回は 多項式カーネルと、対応する特徴ベクトル を解説します。