工数の意味といろいろな計算の例

最終更新日 2019/03/31

工数とは、仕事の作業量を表す用語の1つです。「人月」「人日」「人時間」などの単位が使われます。

このページでは、工数という用語の意味や、工数の計算方法を詳しく解説します。

工数とは

工数とは、作業量を表す用語です。

工数3人月とは、
「1人の人が作業をしたら3ヶ月かかるような仕事」の作業量を表します。

工数12人日とは、
「1人の人が作業をしたら12日かかるような仕事」の作業量を表します。

工数30人時間とは、
「1人の人が作業をしたら30時間かかるような仕事」の作業量を表します。

このように工数は「人月」「人日」「人時間」のように、「人×単位時間」という単位を使って表現されます。読み方は、それぞれ「にんげつ」「にんにち」「にんじかん」です。「人時間」は「人時」とも言います。

工数における単位の変換

「人月」「人日」「人時間」を相互に変換する方法を説明します。

人月と人日の変換

1ヶ月の労働日数は、およそ20日間です。そこで、1ヶ月分の作業量=20日分の作業量と考えてみます。このような考え方のもとでは、1人月=20人日 となります。
逆に、人日を人月に直す場合は20で割れば良いです。10人日=0.5人月 のようになります。

人日と人時間の変換

1日の労働日数は、およそ8時間です。そこで、1日分の作業量=8時間分の作業量と考えてみます。このような考え方のもとでは、1人日=8人時間 となります。
逆に、人時間を人日に直す場合は8で割れば良いです。20人時間=2.5人月 のようになります。

上記の変換規則は、あくまで一般的な考え方の1つです。例えば1人月=21人日などを使う場合もあります。

必要な人数の計算方法

見積もり工数から、必要な人員の数を計算してみましょう。

あるプロジェクトを完了するためには、20人月の工数がかかると推定されている。これを、4ヶ月で終わらせたいとき、何人の人員が必要か?

基本的には、必要な人員数は見積もり工数÷期間で計算することができます。この場合、$20\div 4=5$ 人が必要な人数になります。

かかった工数の計算方法

業務の実績をもとに、かかった工数を計算してみましょう。

あるプロジェクトを以下のように進めた。
・最初は3人で2ヶ月ほど頑張った。
・進みが遅かったので、そこから $1.5$ ヶ月は6人で頑張った。
このときにかかった総工数を計算してみましょう。

基本的には、費やした工数は「人数×時間」の和で計算することができます。

まず、最初の2ヶ月でかかった工数は、$3\times 2=6$ 人月です。後半の $1.5$ ヶ月でかかった工数は、$6\times 1.5=9$ 人月です。
よって、全体でかかった工数は、$9+6=15$ 人月になります。

注意点

工数を見積もってからプロジェクトを進める際には、以下のような注意が必要です。

工数を正確に見積もることは難しい
失敗例:
「1人月で終わると予想していた作業に2人月かかってしまった」

専従者を確保することは難しい
失敗例:
「作業に専従できると思っていたのに、別の仕事が割り込んできたため、1ヶ月で1人月分の仕事ができなかった」

複数人で作業分担する際にはオーバーヘッドがある
失敗例:
「会議や情報共有がスムーズに行えなかったため、5人で1ヶ月作業したが、5人月分の仕事ができなかった」

次回は 回収率の意味と計算ツール を解説します。

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