歯車の歯数と速度(回転数)は反比例します。つまり、相方の歯数が自分の $x$ 倍のとき、自分の回転数は相方の $\dfrac{1}{x}$ 倍になります。
歯車の歯数と速度(回転数)の関係について、解説します。また、この関係式を使って、歯車の回転数を計算する例を説明します。
歯車の歯数と速度の関係
詳細は後述しますが、この $x$ のことを減速比と言います。この関係を使って歯車の回転数を計算してみましょう。
歯数が40個の歯車Aと、歯数が80個の歯車Bをかみ合わせる。歯車Aを毎分30回の速度で回転させると、歯車Bは毎分何回の速度で回転するか?
答え
歯車Bの歯数は、歯車Aの歯数の2倍です。($80\div 40=2$)
よって、回転速度は $\dfrac{1}{2}$ 倍になります。
つまり、歯車Bの回転速度は毎分 $30\div 2=15$ 回になります。
歯数と回転数が反比例する理由
かみ合わせている歯車同士では、回転してかみあった歯の総数(相方の歯車と接触した歯の述べ数)は同じになります。
そして1分間において回転してかみあった歯の総数は、歯数×(1分間あたりの)回転数です。
つまり、かみ合わせている歯車同士では、歯数×回転数は一定になります。これは、歯数と回転数が反比例することを表します。
中間の歯車は関係ない
つまり、歯車Aと歯車Cの中間に歯車Bを新たに追加しても、歯車Aと歯車Cの回転数の比率は一定です。
なぜなら、歯車を3つ以上かみ合わせた場合も全ての歯車で 歯数×回転数 は一定なので、歯車Aと歯車Cの回転数の比率は、歯車Aと歯車Cの歯数の比率のみで決まるからです。
減速比とは
減速比=(駆動される歯車の歯の数)÷(駆動する歯車の歯の数)
つまり、減速比は、回転速度の比の逆数になります。
よって、
減速比が1より大きい $\iff$ 駆動される歯車は駆動する歯車より遅い
減速比が1より小さい $\iff$ 駆動される歯車は駆動する歯車より速い
と言えます。
次回は ニュートンメートルの意味、他の単位との関係 を解説します。