円高・円安の意味について、具体例を使って詳しく解説します。また、円高・円安の分かりやすい覚え方と輸入・輸出への影響についても説明します。
円高とは
円高の例:
例えば、ある日までは $1$ ドル $100$ 円 だったのに突然 $1$ ドル $50$ 円に変化したと仮定してみます。
変化前は $100$ 円は $1$ ドルの価値があります。
変化後は $100$ 円は $2$ ドルの価値があります。
つまり、同じ $100$ 円でも変化後の方がたくさんのドルに変えられます!
これは「円の価値が上がっている」と言えるので、円高です。
逆に、相対的に「ドルの価値が下がっている」とも言えるので、ドル安とも言えます。これらの状況を合わせて表現するために円高ドル安という言葉を使うこともあります。
つまり「円高」「ドル安」「円高ドル安」という3つの言葉は(円とドルの関係のみを考えている状況では)全て同じ意味になります。
円安とは
円安の例:
例えば、ある日までは $1$ ドル $50$ 円 だったのに突然 $1$ ドル $100$ 円に変化したと仮定してみます。
変化前は $100$ 円は $2$ ドルの価値があります。
変化後は $100$ 円は $1$ ドルの価値しかありません。
つまり、同じ $100$ 円でも変化後は少しのドルにしか変えられません。
これは「円の価値が下がっている」と言えるので、円安です。
逆に、相対的に「ドルの価値が上がっている」とも言えるので、ドル高とも言えます。これらの状況を合わせて表現するために円安ドル高という言葉を使うこともあります。
つまり「円安」「ドル高」「円安ドル高」という3つの言葉は(円とドルの関係のみを考えている状況では)全て同じ意味になります。
円高・円安の覚え方
「円の価値が高くなるのが円高」という仕組みを覚えていても、どちらが円高で、どちらが円安なのか、ついつい迷ってしまいます。そこで、円高・円安の覚え方を紹介します。
$1$ ドル=○○円
の数字○○が減ったら円高
例えば、$1$ ドル $100$ 円 → $1$ ドル $50$ 円という為替の変化は、数字が $100$ から $50$ に減っているので円高です。
このように数字が減ったら円高という9文字だけをしっかり覚えてください。そうすれば、その逆のときは円安であることもすぐに分かるので、もう円高か円安かを迷う必要はありません。数字が減ったら円高です。
円高と輸出・輸入
円高のときには、一般的に、日本への輸入が有利になります。
例えば、$1$ ドル $100$ 円 → $1$ ドル $50$ 円という円高の変化を考えてみます。
$1$ ドルのアメリカ産の商品が、$50$ 円という安値で買えるようになるので、輸入する人は嬉しいです。
円高のときには、一般的に、日本からの輸出は不利になります。
例えば、$1$ ドル $100$ 円 → $1$ ドル $50$ 円という円高の変化を考えてみます。
$100$ 円の日本産の商品が、$2$ ドルという高値でしか買えなくなるので、あまり売れず、輸出する人は悲しいです。
円安と輸出・輸入
円安のときには、一般的に、日本への輸入は不利になります。
例えば、$1$ ドル $50$ 円 → $1$ ドル $100$ 円という円安の変化を考えてみます。
$1$ ドルのアメリカ産の商品が、$100$ 円という高値になってしまったので、輸入する人は悲しいです。
円安のときには、一般的に、日本からの輸出は有利になります。
例えば、$1$ ドル $50$ 円 → $1$ ドル $100$ 円という円安の変化を考えてみます。
$50$ 円の日本産の商品が、$0.5$ ドルという安値で買えるようになるので、たくさん売れて、輸出する人は嬉しいです。
円高・円安と海外旅行
海外旅行に行くときには、円をドルなどの現地のお金に両替します。そのため、円高・円安の影響を受けます。
円高のときには、同じ額の日本円でも、たくさんのドルに変えられます。つまり、同じ量の日本円でも海外でたくさんの買い物ができるので、円高のときに海外旅行に行けばお得です。
一方、円安のときには、同じ量の日本円でも海外であまり買い物ができないので、円安のときに海外旅行に行くのは損です。
次回は キャピタルゲインの意味と計算方法を簡単に解説 を解説します。