2本の直線 $y=ax+b$ と $y=cx+d$ は、$a\neq c$ のとき交点を1つ持つ。その座標は連立方程式を解いて求めると、
$\left(\dfrac{d-b}{a-c},\dfrac{ad-bc}{a-c}\right)$
となる。
簡単な具体例
例題
$y=2x+3$ と $y=x-4$ の交点の座標を計算せよ。
解答1
$\begin{eqnarray}\begin{cases}y=2x+3\\y=x-4\end{cases}\end{eqnarray}$
という連立方程式を解きます。
2つの式のより、
$2x+3=x-4$
となります。移項すると、
$2x-x=-4-3$
$x=-7$
これを $y=x-4$ に代入すると $y=-7-4=-11$
よって答えは $(-7,-11)$
解答2
$\left(\dfrac{d-b}{a-c},\dfrac{ad-bc}{a-c}\right)$ という公式に、
$a=2,b=3,c=1,d=-4$ を代入すると、
$x$ 座標は $\dfrac{-4-3}{2-1}=-7$
$y$ 座標は $\dfrac{2(-4)-3}{2-1}=-11$
よって答えは $(-7,-11)$
公式の証明
2本の直線:$y=ax+b$ と $y=cx+d$ の交点を求めてみましょう。
$\begin{eqnarray}\begin{cases}y=ax+b\\y=cx+d\end{cases}\end{eqnarray}$
という連立方程式を解きます。
2つの式のより、
$ax+b=cx+d$
となります。移項すると、
$ax-cx=d-b$
$a\neq c$ のときは、
$x=\dfrac{d-b}{a-c}$
これを $y=ax+b$ に代入すると
$y=\dfrac{ad-ab}{a-c}+\dfrac{(a-c)b}{a-c}\\
=\dfrac{ad-bc}{a-c}$
公式が証明できました!
$a=c$ の場合
$a=c$ の場合、つまり2本の直線の傾きが等しい場合、2本の直線は平行です。よって、
・さらに $b=d$ の場合
→2本の直線は完全に一致する。よって、交点は無数にあります。
・$b\neq d$ の場合
→2本の直線は異なりますが平行なので、交点は存在しません。
$ax+by+c=0$ という一般形の場合
2本の直線 $a_1x+b_1y+c_1=0$ と $a_2x+b_2y+c_2=0$ の交点も、
同様に連立方程式を解くことで得られます。
結果のみ書くと、$a_1b_2-a_2b_1\neq 0$ のとき交点が1つ存在して、その座標は
$\left(\dfrac{b_1c_2-b_2c_1}{a_1b_2-a_2b_1},\dfrac{a_2c_1-a_1c_2}{a_1b_2-a_2b_1}\right)$
となります。
次回は 中点の座標を求める公式と証明 を解説します。