Rで二項分布の計算をする(dbinomなど)

最終更新日 2019/05/12

dbinom:ちょうど $x$ 回成功する確率
pbinom:成功回数が $q$ 回以下である確率
qbinom:二項分布のパーセント点
rbinom:二項分布からサンプルを抽出

ちょうど $x$ 回成功する確率を求める

dbinom は二項分布の確率関数の値(つまり、$x$ 回成功する確率)を計算してくれます。

赤字で使い方の例を紹介します。

dbinom(4, 10, 0.3)
説明:成功確率が $0.3$ である試行を $10$ 回行ったときに、$4$ 回成功する確率を計算。
結果:0.2001209

dbinom(x=4, size=10, prob=0.3)
説明:引数名を明示しても同じ結果になります。
結果:0.2001209

dbinom(0:2, 10, 0.3)
説明:成功確率が $0.3$ である試行を $10$ 回行ったときに、$0,1,2$ 回成功する確率を、それぞれ一気に計算。
結果:0.02824752 0.12106082 0.23347444

dbinom(c(0,1,2), 10, 0.3)
説明:ベクトル表記でも同じことができます。
結果:0.02824752 0.12106082 0.23347444

成功回数が $q$ 回以下である確率を求める

pbinom は二項分布の累積分布関数の値を計算してくれます。

pbinom(4, 10, 0.3)
説明:成功確率が $0.3$ である試行を $10$ 回行ったときに、成功する回数が4回以下である確率を計算。
結果:0.8497317

pbinom(q=4, size=10, prob=0.3)
説明:引数名を明示しても同じ結果になります。
結果:0.8497317

sum(dbinom(c(0,1,2,3,4), 10, 0.3))
説明:dbinom と sum を組合せても同じ計算ができます。
(成功回数が4回以下の確率は、0回、1回、2回、3回、4回成功の確率を足したものです)
結果:0.8497317

累積分布関数については、累積分布関数の意味および確率密度関数との関係 をご参照ください。

二項分布のパーセント点を計算する

qbinom は二項分布の累積分布関数の逆関数を計算してくれます。

qbinom(0.4, 10, 0.3)
大雑把な説明:成功確率が $0.3$ である試行を $10$ 回行ったときに「$40$%の確率で、成功回数は $n$ 以下である」となるような $n$ を計算(※)。
結果:3

qbinom(p=0.4, size=10, prob=0.3)
説明:引数名を明示しても同じ結果になります。
結果:3

※もう少しきちんと言うと「成功回数が $n$ 回以下である確率は、$40$%以上だが、成功回数が $(n-1)$ 回以下である確率は、$40$%未満」となるような $n$ を計算します。

二項分布からサンプルを抽出する

rbinom は上の3つとは少し系統が違う関数です。二項分布からサンプルを抽出してくれます。

rbinom(5, 10, 0.3)
説明:「成功確率が $0.3$ である試行を $10$ 回行ったときに成功する回数」のサンプルを $5$ つ抽出します。
結果の例:1 3 1 5 6

rbinom(n=5, size=10, prob=0.3)
説明:引数名を明示しても同じことができます。
結果の例:6 3 2 2 2

実行のたびに結果は異なります。

次回は 不偏推定量と一致推定量の意味 を解説します。

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